日本災害医療薬剤師学会会員並びに関係者の皆様

日本災害医療薬剤師学会第9回学術大会延期のお知らせ

平素より、日本の災害医療・災害薬学の普及・発展にご理解とご協力を賜り、心より感
謝申し上げます。本学術大会の大会長を務めております、新潟大学医学部 和泉です。
このたび、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、本学術大会は、当初予定した2020
年7月4日・5日での開催について、見合わせることとしました。このようなタイミングでの
ご案内となり、ご支援を頂き準備してくださった皆様、参加のご予定を頂いていた皆様、
楽しみにお待ち頂いた皆様には、大変ご迷惑をおかけし、申し訳ない思いでいっぱいです

この国の地震・台風等の危機が去ったわけではなく、台風シーズン前の貴重な学びの場
を活かせなくなることは誠に残念ですが、今は「平時の医療を守ること」の重要性を再度
意識し、それぞれの職務に応じ、安全に取り組んで頂くことを深く祈念しております。
経費面の問題もあることから、本プロジェクトはいったん全て凍結しますが、事態終息
の暁には改めて開催のご案内ができるよう、企画は保存したいと思っています。
多くのご支援のお陰で、大きなセッション3つと、教育講演2つ、ハンズオンセミナ
ー2つ、ランチョンセミナー3つなどについて、講師や協賛のご内諾を頂き、また、模擬
避難所作成に係る協賛企業のご協力なども頂いております。さらに充実させて開催にこぎ
つけたいと思いますので、引き続きご支援のほど何卒よろしくお願いいたします。
本学術大会は、昨年夏から新潟県内の本学会会員を中心に準備を進め、12月・1月で委員
の体制とプログラム骨子を整えました。ただ、2月以降、本大会の前哨戦や広報の機会と
位置づけた各種企画はほぼ全て中止、委員との会合や企業への協賛依頼もままならない状
況となり、参加者の安全と大会の質を考えると、中止せざるをえないことは容易に予見で
きました。私にできたことは、参加者の不安にお応えすべく今回の事態に沿ったキャンセ
ルポリシーを整備すること、リスクヘッジの観点から現行の準備を一時停止しケースごと
の手順と予算を確認すること、そして、延期を想定に入れた地盤固めを進めることでした

最終的には、「4月5日までに緊急事態が宣言されなければ翌6日より演題募集開始、そ
れ以降に宣言された場合、進行具合により誌上開催の可否を検討」と勝負をかけて状況を
見守りました。これ以上遅らせると開催が危ぶまれる一方、企画を進めれば経費が生じ、
あとに引けなくなります。「ふたを開けてみれば開催できたではないか」との批判も覚悟
の上での、ぎりぎりのラインでした。(ただ、私が実際に中止を発議したのは4月4日でし
た…。)
今この国を覆っている移動や集会の危険が一刻も早く去り、新潟の地で皆様の笑顔にお
会いできる日が一日も早く来ることを、心より楽しみにしています。

日本災害医療薬剤師学会第9回学術大会長 和泉邦彦