日本災害医療薬剤師学会設立14周年記念日に際して

本日2020年4月23日に本学会設立14周年を迎えました。

本学会が設立されたきっかけは2004年10月に発生した新潟県中越地震であり、同年12月に発生したインド洋スマトラ地震大津波でした。その後、能登半島地震、中越沖地震、岩手宮城内陸地震、東日本大震災、熊本地震、北海道胆振地震、大阪北部地震等の地震以外に台風や豪雨等の自然災害に対して学会員が現地入りして微力ながらも医療救援活動を行って参りました。台風や豪雨は天気予報の情報により多少は予測し、対応策の準備も講じられるものの、地震については予知が難しく突然発生するため、対応は困難を極めますが、発生後の対応は経験と研修を重ねた事により、学会設立以前に比べ、長足の進歩だと思っています。

しかしながら、現在、日本中はおろか世界中で未だ嘗て経験のない対応に苦慮している新型コロナウィルス感染拡大状況に際して薬剤師も医療従事者の一員として如何に活動すべきかを考えているものの私自身解決策が見つからないところです。

本来ならば7月4日(土)5日(日)に新潟市で開催される予定でした第9回学術大会の場でシンポジウムの緊急テーマとして取り上げて会員始め参加者で対応策について検討すべきなのですが、大会の開催自体が感染の危険性を増してしまう怖れを危惧してやむを得ず延期となってしまいました。

現時点では、感染しない、感染させないために、うがい手洗い等で衛生環境の保全を自ら行う事、患者を含む市井の方々への感染予防の啓発以外にはこれと言った対応策が思い浮かびません。

新型コロナウィルス感染予防を目的に厚生労働省がオンライン診療を例外的に認め、病院診療所から薬局へEメールやファクシミリ等による処方箋送信及び受信による応需での調剤、服薬指導を含む医薬品の患者への配達や郵送等により、患者の来院や来局による感染リスクの軽減を図ろうとしています。

今回の地球規模の困難に対して災害医療薬剤師学会として貢献できる方法を探って行きたいと思います。来年の15周年の記念日には前年の事が思い出話として語れるようになっていたいと思います。本学会会員は勿論の事、この挨拶文を目にされた方全員が御健勝で来年を迎えられますようにお祈り申し上げます。

2020年4月23日
日本災害医療薬剤師学会役員一同