本日、日本災害医療薬剤師学会設立13周年を迎えました。
2006年、新宿のホテルサンメンバーズ東京新宿を会場に設立総会を開催し、本学会は始まりました。2004年の新潟県中越地震と同年12月のスマトラ沖地震大津波の救援に参加した有志が2005年第38回日本薬剤師会学術大会(広島県大会)「災害医療から始まる薬剤師改革」のシンポジウムに座長やシンポジストとして参加し、そのメンバーが中心となって設立したのですが、当初は殆ど注目されませんでした。
しかし、能登半島地震、新潟県中越沖地震、岩手宮城内陸地震等が連続的に発生し、その現地に救援に駆け付けた珍しい存在として本学会へ業界紙等の取材や問い合わせが届くようになりました。
その後、2011年の東北地方太平洋沖地震による東日本大震災が発生すると潜在的に存在していた全国の志ある薬剤師が本学会のHPを閲覧し、問い合わせメールが届くようになりました。
本学会が会員有志を募り、日本薬剤師会に先んじて被災地仙台へ隊員を派遣した事をHPに掲載した事もあり、インターネット上で賞賛する記載がかなり見られました。震災に対する関心が高まるにつれ、入会者も飛躍的に増加しました。会員数の増加に対応するため、組織の再編成を行い、災害支援薬剤師制度を導入し、研修会や学術大会を定期的に開催し、活動内容の充実を図っております。
当初は研修会も学術大会も東京で開催しておりましたが、地方会員の要望もあり、研修会に就きましては全国を4ブロックに分け、4年がかりで全ての項目を受講できるような体制とし、その気になれば4ブロック開催の全てを受講すれば1年間で修了し、災害支援薬剤師に登録できるような体制でもあります。最近は地震のみならず水害等の自然災害も増加しておりますので、カリキュラムの見直しや更新を随時行おうとしています。
また、近年多くの自然災害が発生しているため、文部科学省厚生労働省も薬剤師教育のカリキュラムの見直し作業の中で、薬学臨床で実務実習とその事前教育の中に必須項目として災害医療が加えられました。やっと時代が私達に追いついて来たようにも思いますが、これからも薬剤師の災害支援活動の普及啓発と研修内容の充実を通じて、薬剤師が必要不可欠な存在と社会に認識して戴けるように努力を継続する所存です。
これまでの皆様の御支援に心より御礼申し上げます。そして今後も何卒宜しくお願い致します。
2019年4月23日
日本災害医療薬剤師学会役員一同